インフラエンジニアと開発エンジニア目指すならどっち?違いや向いている人の特徴を解説

IT業界への転職を考えている時、インフラエンジニアと開発エンジニアのどちらを選ぶか迷いますよね。どちらも需要が高く、将来性のある職種ですが、仕事内容や必要なスキル、向いている人のタイプは大きく異なります。

この記事では、両者の具体的な違いから向いている人の特徴、メリット・デメリットまで詳しく解説します。自分に合ったキャリアパスを見つけるための判断基準もお伝えするので、迷っている方はぜひ参考にしてください。

目次

インフラエンジニアと開発エンジニアの基本的な違い

まずは、インフラエンジニアと開発エンジニアの基本的な違いを理解しましょう。この2つの職種は、IT業界の中でも役割や責任範囲が大きく異なります。

仕事内容の違い

インフラエンジニアは、システムの基盤となるサーバーやネットワーク、データベースの設計・構築・運用保守を行います。具体的には、サーバーのセットアップ、ネットワーク機器の設定、障害対応、セキュリティ対策などが主な業務です。システムが安定稼働するよう、24時間365日体制でのメンテナンスも重要な役割となります。

一方、開発エンジニアはアプリケーションやシステムのプログラムを作成する仕事です。要件定義から設計、プログラミング、テスト、リリースまでの開発工程全体に関わります。Webサイトやスマートフォンアプリ、業務システムなど、ユーザーが直接触れる部分を作り上げていきます。

求められるスキルの違い

インフラエンジニアに求められるスキルは以下のようなものです

  • サーバー(Linux、Windows Server)の知識
  • ネットワーク(TCP/IP、ルーティング)の理解
  • クラウドサービス(AWS、Azure)の操作
  • 仮想化技術(VMware、Docker)の活用
  • セキュリティ対策の実装

開発エンジニアに必要なスキルは職種によって異なりますが、共通して以下が挙げられます

  • プログラミング言語(Java、Python、JavaScript等)
  • データベース設計・操作
  • フレームワークの理解
  • バージョン管理(Git)
  • アルゴリズムとデータ構造の知識

年収や将来性の違い

2024年の調査によると、インフラエンジニアの平均年収は400万円~700万円程度です。経験年数やスキルレベル、担当する案件の規模によって大きく変わります。特にクラウド技術に精通したエンジニアは高い評価を受けており、年収800万円以上を得る人も珍しくありません。

開発エンジニアの平均年収は350万円~800万円と幅広く、使用する技術や業界によって差があります。AI・機械学習エンジニアやフルスタックエンジニアは特に需要が高く、年収1000万円を超えるケースもあります。

将来性については、どちらも高い需要が見込まれます。インフラエンジニアはDXの進展により、開発エンジニアはデジタル化の加速により、今後もその重要性は増していくでしょう。

インフラエンジニアに向いている人の特徴

インフラエンジニアは、システムの安定稼働を支える重要な役割を担います。どのような人が向いているのか、詳しく見ていきましょう。

責任感が強く継続的な学習を続けられる人

インフラエンジニアの仕事は、一つのミスがシステム全体の障害につながる可能性があります。そのため、強い責任感を持って業務に取り組める人が向いています。また、技術の進歩が早い分野なので、新しい知識を継続的に学び続ける意欲も欠かせません。

クラウド技術の普及により、従来のオンプレミス環境とは大きく異なるスキルが求められるようになりました。AWSやAzureなどのクラウドサービスは頻繁にアップデートされるため、常に最新情報をキャッチアップする姿勢が重要です。

資格取得に積極的な人も、インフラエンジニアに向いています。CCNA、LPIC、AWS認定などの資格は、スキルの証明だけでなく、体系的な知識習得にも役立ちます。

機械や技術に興味があり冷静な判断ができる人

ハードウェアやネットワーク機器に興味がある人は、インフラエンジニアの仕事を楽しめるでしょう。サーバーの性能チューニングや、最適なネットワーク構成の検討など、技術的な課題解決にやりがいを感じられます。

また、システム障害が発生した際は、迅速かつ冷静に対応する必要があります。パニックにならず、論理的に原因を特定し、適切な対処法を選択できる判断力が求められます。

夜間や休日の緊急対応もあるため、ストレス耐性があることも大切です。オンコール対応や24時間体制の運用に参加することもあるので、不規則な勤務時間にも対応できる柔軟性が必要になります。

縁の下の力持ちポジションでやりがいを感じる人

インフラエンジニアの仕事は、ユーザーから直接見えない部分を支える役割です。システムが正常に動作している時は注目されませんが、障害が起きた時に真価を発揮します。このような「縁の下の力持ち」としての役割に誇りを持てる人が向いています。

チームワークを重視し、他部門との連携を大切にできる人も適しています。開発チーム、運用チーム、セキュリティチームなど、様々な部署と協力してシステム全体を支えていく必要があります。

地道な作業を継続できる忍耐力も重要な要素です。定期メンテナンス、ログの監視、セキュリティパッチの適用など、華やかではないが重要な作業を確実に実行できることが求められます。

開発エンジニアに向いている人の特徴

開発エンジニアは、創造性と論理性の両方が求められる職種です。どのような特徴を持つ人が成功しやすいのか見ていきましょう。

論理的思考とコツコツとした努力ができる人

プログラミングは論理的な思考が必要不可欠です。複雑な問題を小さな要素に分解し、それぞれを順序立てて解決していく能力が求められます。「なぜこうなるのか」「どうすれば効率的になるのか」を常に考えながら作業を進められる人が向いています。

また、一つの機能を完成させるまでには、多くの試行錯誤が必要です。エラーの解決やバグの修正など、地道な作業を諦めずに続けられる粘り強さも大切な要素です。

デバッグ作業では、小さなミスを見つけ出す集中力と注意力が問われます。何時間もコードを見つめ続けても、問題解決への意欲を失わない人が開発エンジニアに適しています。

新しい技術に興味を持ち続けられる人

IT業界は技術の変化が激しく、新しいプログラミング言語やフレームワークが次々と登場します。開発エンジニアとして長く活躍するには、常に新しい技術に興味を持ち、自分のスキルをアップデートしていく姿勢が欠かせません。

オープンソースのコミュニティに参加したり、技術ブログを読んだり、勉強会に参加したりと、業務時間外でも学習を続けられる人が成功しやすいでしょう。

プログラミング言語やツールの特徴を理解し、プロジェクトに最適な技術選択ができる判断力も重要です。流行に惑わされず、プロジェクトの要件に合った技術を選択できる冷静さが求められます。

集中力が高く問題解決能力がある人

プログラミング作業では、長時間の集中が必要になることがあります。一度集中し始めたら、周囲の雑音に惑わされず、作業に没頭できる人が開発エンジニアに向いています。

予期しないエラーやバグに遭遇した時、原因を特定し解決策を見つける問題解決能力も欠かせません。ネット検索やドキュメント調査を駆使して、自力で問題を解決していく力が必要です。

チーム開発では、他のエンジニアとのコミュニケーション能力も重要になります。自分のコードを分かりやすく説明したり、他人のコードをレビューしたりする際の協調性が求められます。

インフラエンジニアのメリット・デメリット

インフラエンジニアを目指す前に、この職種のメリットとデメリットを理解しておきましょう。

インフラエンジニアのメリット

インフラエンジニアの最大のメリットは、安定した需要があることです。どの企業でもITシステムは必要不可欠であり、そのインフラを支える専門家の需要は今後も続いていきます。

また、スキルが身につけば転職しやすいことも大きなメリットです。サーバー管理やネットワーク設計のスキルは、業界や企業規模を問わず活用できるため、キャリアアップの選択肢が豊富にあります。

専門性が高いため、一度スキルを身につければ長期間活用できることも魅力です。基本的な技術は変わらないので、経験を積むほど価値が高まります。

年収面では、経験を積むにつれて着実に上がっていく傾向があります。特にクラウド技術やセキュリティ分野のスキルがあれば、高い年収も期待できます。

インフラエンジニアのデメリット

一方で、インフラエンジニアには夜間や休日の緊急対応があることがデメリットです。システム障害は時間を選ばないため、プライベートな時間でも対応を求められることがあります。

また、責任の重さもプレッシャーになる場合があります。インフラの障害は事業全体に影響を与えるため、常に緊張感を持って業務に取り組む必要があります。

技術の変化に対応し続ける必要があることも、人によってはデメリットに感じられるかもしれません。特にクラウド技術の進歩は早く、継続的な学習が欠かせません。

初心者には入門の敷居が高いことも課題の一つです。実際のサーバー環境に触れる機会が限られるため、独学での習得が困難な場合があります。

開発エンジニアのメリット・デメリット

開発エンジニアのキャリアを検討する際も、メリットとデメリットの両面を理解することが重要です。

開発エンジニアのメリット

開発エンジニアの大きなメリットは、自分が作ったものが直接ユーザーに使われることです。WebサイトやアプリなどのUIは、多くの人の目に触れるため、達成感や満足感を得やすいでしょう。

創造性を活かせることも魅力の一つです。新しい機能のアイデアを形にしたり、ユーザビリティの改善を提案したりと、クリエイティブな側面があります。

フリーランスとして独立しやすいことも開発エンジニアの特徴です。プログラミングスキルがあれば、在宅ワークや個人事業主として働く選択肢も広がります。

また、副業としても始めやすく、小さなWebサイト制作から経験を積んでいくことができます。ポートフォリオを作成して実績を示せば、徐々に規模の大きなプロジェクトに参加できるようになります。

開発エンジニアのデメリット

開発エンジニアのデメリットとして、技術の変化が激しいことが挙げられます。新しいフレームワークやライブラリが次々と登場するため、常に学習を続ける必要があります。

また、納期に追われることが多く、プロジェクトによってはプレッシャーが大きいことも課題です。リリース前には残業や休日出勤が発生することもあります。

競争が激しい分野でもあります。多くの人がプログラミングを学んでいるため、スキルアップを怠ると市場価値が下がるリスクがあります。

初心者の場合、最初の数年は年収が低めになることもデメリットの一つです。しかし、スキルが身につけば大幅な年収アップも期待できるので、中長期的な視点で考えることが大切です。

どちらを選ぶべきか?判断基準とキャリアの選び方

インフラエンジニアと開発エンジニア、どちらを選ぶべきかの判断基準をお伝えします。自分の性格や目標に合った選択をしましょう。

未経験からの転職を考えている場合

未経験からの転職では、学習のしやすさを考慮することが重要です。開発エンジニアの場合、プログラミングは自宅のパソコンで学習できるため、独学でもスキルを身につけやすいでしょう。

オンライン学習プラットフォームや書籍も豊富にあり、基礎から応用まで体系的に学べる環境が整っています。また、ポートフォリオサイトを作成して実績を示すことも可能です。

一方、インフラエンジニアは実際のサーバー環境に触れる機会が限られるため、独学での習得が困難な場合があります。ただし、クラウドサービスの無料枠を活用したり、仮想環境を構築したりすることで、ある程度の実践経験は積めます。

転職活動においては、どちらの職種でも資格取得が有利になります。開発エンジニアであれば基本情報技術者試験、インフラエンジニアであればCCNAやLPICなどの取得を検討してみてください。

長期的なキャリア形成を見据えた選択

長期的なキャリア形成では、将来の市場性を考えることが重要です。開発エンジニアは、AI・機械学習、クラウドネイティブ開発、IoT開発など、新しい分野への展開がしやすいでしょう。

インフラエンジニアも、DevOpsやSRE(Site Reliability Engineering)、セキュリティエンジニアなど、専門性を活かした発展的なキャリアパスがあります。

どちらの職種でも、マネジメント職への道もあります。開発エンジニアであればテックリードやプロジェクトマネージャー、インフラエンジニアであればインフラ責任者やITマネージャーなどの選択肢があります。

自分の興味や適性で決める方法

最終的には、自分の興味や適性に合った選択をすることが最も重要です。以下のチェックポイントを参考に、自分に合った職種を見極めてください。

開発エンジニア向きの人

  • 新しいものを作ることが好き
  • 論理的思考が得意
  • 細かい作業に集中できる
  • ユーザーの反応を直接感じたい

インフラエンジニア向きの人

  • 安定性や継続性を重視する
  • 責任感が強い
  • チームを支える役割が好き
  • 技術的な課題解決にやりがいを感じる

どちらを選んでも、継続的な学習は必要です。自分が楽しみながら学べる分野を選ぶことで、長期的な成功につながりやすくなります。

まとめ

インフラエンジニアと開発エンジニアは、どちらもIT業界で重要な役割を果たす職種ですが、仕事内容や求められるスキル、向いている人の特徴は大きく異なります。

インフラエンジニアは、システムの安定稼働を支える縁の下の力持ちとして、責任感と継続的な学習意欲がある人に向いています。開発エンジニアは、論理的思考と創造性を活かしてものづくりに取り組みたい人に適しています。

どちらを選ぶかは、自分の性格や興味、将来の目標によって決めることが大切です。未経験からの転職を考えている場合は、学習のしやすさや転職活動での有利さも考慮に入れて判断しましょう。

重要なのは、選択した道で継続的に成長していくことです。どちらの職種でも、技術の変化に対応し、新しいスキルを身につけ続ける姿勢が成功の鍵となります。自分に合った道を見つけて、充実したエンジニアライフを送ってください。

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